教員紹介

日本史コース

佐々木 恵介(ささき けいすけ) 古代史

〈専門領域〉
日本古代史。おもに平安時代の官司(役所)で、どのように仕事が行われていたのか、それは前後の時代に比べてどのような特徴があるのか、さらに現代の企業や役所での仕事のしかたにどのような影響を及ぼしているのか、などを調べています。
〈最近の業績/仕事〉
  • 「摂政・関白と大臣・外戚」(『むらさき』58、2021年)
  • 「古代日本の名簿に関する試論」(『律令制と古代国家』吉川弘文館、2018年)
  • 『日本古代の官司と政務』(吉川弘文館、2018年)
  • 『日本古代の歴史4 平安京の時代』(吉川弘文館、2014年)
  • 『天皇の歴史03 摂政・関白と天皇』(講談社、2011年)
〈ひとこと〉
日本古代史のゼミでは、奈良・平安時代の漢文史料を読み、そこからどのようなことがわかるのかを考えていきます。また、希望があれば研修旅行を行いますが、それ以外でも、さまざまな機会を利用して、歴史の舞台を実際に訪れてみてください。

石原 比伊呂(いしはら ひいろ) 中世史

〈専門領域〉
室町時代の公武関係論(将軍家と天皇家の関係)
〈最近の業績/仕事〉
  • 『北朝の天皇』(中公新書、2020年)
  • 『足利将軍と室町幕府』(戎光祥出版、2017年)
  • 『室町時代の将軍家と天皇家』(勉誠出版、2015年)
  • 「中世天皇制と学芸」(『歴史評論』836、2019年12月)
  • 「室町幕府将軍権威の構造と変容」(『歴史学研究』963、2017年)
〈ひとこと〉
中世史ゼミは「よく学び、よく遊べ」を実践しようとするアグレッシブなゼミです。前提としての「よく学び」の部分については一定の勤勉さを求めますが、大学時代におけるゼミ生活の比重を高く持ちたい学生に満足してもらえるようゼミを運営しています。

芹口 真結子(せりぐち まゆこ) 近世史

〈専門領域〉
江戸時代の宗教史。浄土真宗を中心に、僧侶が民衆に説いた教えの内容、他の仏教教団との連携や対立の諸相について、当時出版あるいは書写された書物や、仏教教団・幕藩領主が作成した諸記録を活用して研究しています。
〈最近の業績/仕事〉
  • 「宗名論争と東本願寺―安永末~天明初年の動向を中心に」(『仏教史学研究』64-1、2022年12月)
  • 「宗派間対立における政治交渉―宗名論争を事例に」(『人民の歴史学』222、 2019年12月)
  • 『近世仏教の教説と教化』(法藏館、2019年6月)
〈ひとこと〉
日本近世史は活字史料だけでなく、多くが未翻刻のままである古文書とも向き合いながら、過去の営みに迫っていく分野です。文字を追うだけでなく、史料上の人々がかつて生きていた土地の空気も吸いつつ、歴史を再構成していく力を一緒に磨いていきたいと思います。

土田 宏成(つちだ ひろしげ) 近現代史

〈専門領域〉
日本近代史(政治史、災害史、軍事史、土木史)
〈最近の業績/仕事〉
  • 『災害の日本近代史』(中央公論新社、2023年)
  • 「論考 聖心女子大学の制服について」(『時代をまとう女性たち 昭和館特別企画展』昭和館学芸課編、2023年)
  • 『日本史探究(高等学校地理歴史科教科書)』(東京書籍、2023年)(分担執筆)
  • 『関東大水害 忘れられた1910年の大災害』(日本経済評論社、2023年)(吉田律人・西村健との共編著)
  • 「軍隊と恋愛」(『日本歴史』編集委員会編『恋する日本史』、吉川弘文館、2021年)
  • 「二〇世紀日本の防災」(『史学雑誌』127-6、2018年6月)
  • 『帝都防衛 戦争・災害・テロ』 (吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2017年)
  • 「下総台地の軍事化」(荒川章二編『地域のなかの軍隊2、軍都としての帝都 関東』、吉川弘文館、2015年)
  • 「総力戦体制下の日本の自然災害」(史学会編『災害・環境から戦争を読む』、山川出版社、 2015年)
〈ひとこと〉
日本の近現代史は、世界の国々と比較しても、その変化の規模や速さが際立っているユニークなものです。文字だけでなく、近代・現代特有の写真、映像、オーラルヒストリーなど、さまざまな史料を利用しながら、研究していきます。

世界史コース

齋藤 久美子 (さいとう くみこ)  西アジア史

〈専門領域〉
西アジア史・オスマン帝国史
〈最近の仕事〉
  • 「アルバニアのベクターシュ教団(調査報告)」佐島隆(編)『アレヴィー関連諸集団とアレヴィー・エスニシティの生成と展開―トルコ及びヨーロッパ(調査報告・論考編)』(大阪国際大学、2020年3月)
  • 「オスマン朝東部辺境の地、アバガ―地図から消された一地域の歴史的個性をめぐって」(『史淵』157号、2020年3月)
  • 「トプカプ宮殿文書館の三冊の帳簿と1560年頃のアディルジェヴァズ県」(『お茶の水史学』62号、2019年3月)
〈授業の紹介〉
世界史文献講読ではオスマン帝国史に関する英語の文献を、演習では(日本と中東の関係史をふくむ)中東やイスラーム関連の文献を読んでいます。

印出 忠夫(いんで ただお) ヨーロッパ中世史

〈専門領域〉
ヨーロッパ中世のキリスト教史に特に興味があります。宗教のからんだ歴史には、戦争も平和も富も貧困も、人間のすべてがこめられていると思っています。
〈これまでの主な仕事〉
Pour augmenter le culte divin. Les messes perpétuelles dans le diocèse d’Avignon au temps de la papauté du XIVe siècle 博士論文(フランス、l’École des hautes études en sciences socialesに提出)、2021年
« Aspects économiques de la célébration des messes à la fin du Moyen Age. Les chapellenies gérées par le chapitre cathédral d’Avignon au XIVe siècle », Revue d’histoire de l’Église de France, p.5-23, 2013年
『キリスト教の歴史1(宗教の世界史8)』山川出版社、2009年8月
全体の三分の一にあたる中世の部分(第3章、第4章)を執筆しました。宗教とその歴史的背景との関係が一番よくわかる(?)本だと思っています。
〈私のゼミ〉
半期に1回ずつ各自の研究発表をしてもらいディスカッションします。これはけっこう皆楽しんでいると思いますが・・・それ以外の時期は文献の輪読に充てています。

大西 吉之(おおにし よしゆき) ヨーロッパ近世史

〈専門領域〉
オランダ近世史、とくに都市救貧の歴史を専門にしています。
オランダ史なら専門的な助言が出来るわけですが、研究は自分自身の興味関心に従うことが第一ですので、卒論のテーマは自由に選んでもらうことが基本です。
〈これまでの主な仕事〉
  • Yoshiyuki ONISHI, “Power of the Notion. Rules, Practices and Self-evaluation of the Poor Relief of the Reformed Church in Late Eighteenth-century Rotterdam”, Tijdschrift voor sociale en economische geschiedenis, 13-3(2016),
  • (共著)『海のイギリス史―闘争と共生の世界史』、昭和堂、2013年。
  • (翻訳)J・ド・フリース、A・ファン・デァ・ワウデ著『最初の近代経済:オランダ経済の成功・失敗と持続力 1500-1815』、名古屋大学出版会、2009年(共訳)。

桑名 映子(くわな えいこ) ヨーロッパ近現代史

〈専門領域〉
ハプスブルク帝国史(19世紀後半から世紀末、第一次世界大戦まで)
ハプスブルク帝国期の政治体制、知識人と社会運動、外交と外交官を研究しています。ここ数年は、「クーデンホーフ光子」の夫で外交官だったハインリヒ・クーデンホーフや、ハンガリー人ながら帝国外相をつとめ、エリーザベト皇后の友人でもあったアンドラーシ・ジュラに興味を持って調べています。
〈最近の仕事〉
  • 『文化外交の世界』山川出版社、2023年(編著)
  • 『ハプスブルク事典』川成洋編者代表、丸善出版、2023年(項目執筆)
  • 『中欧・東欧文化事典』丸善出版、2021年(編集委員)
  • 「オーストリア=ハンガリーと日本 —国交樹立150周年を記念して—」『ドイツ研究』54号(2020年)(伊藤真実子、村上亮、大井知範との共著)
  • 「第8章 ハプスブルク帝国とハンガリー」「第9章ハプスブルク帝国の外交とハンガリー人」(羽場久美子編『ハンガリーを知るための60章【第2版】ドナウの宝石』明石書店、2018年)
  • 「マイヤーリングの悲劇とハンガリー人外務次官—皇太子ルドルフの書簡をめぐって—」『聖心女子大学論叢』第116集(2011年)
  • 「ハプスブルク帝国外務省のハンガリー人—スジェーニ=マリッチの軌跡—」『歴史と地理 世界史の研究』222号(2010年)
  • (翻訳)スティーヴン・ベラー著『世紀末ウィーンのユダヤ人』刀水書房、2008年
〈授業紹介〉
  • 講義科目「ヨーロッパ現代史1(1)・(2)」では、年度によりハプスブルク帝国史、外交史、ユダヤ人とホロコースト、映画で学ぶ近現代の世界などをテーマとする授業を行っています。
  • 3・4年生向けの演習では、これまでに「宗教」「女性」「記憶と歴史認識」「外交」「知識人」などに関するテキストを取り上げました。ハプスブルク帝国やドイツ・東欧だけでなく、同時代のイギリスやフランス、ロシアに関するテキストも使用し、国際比較の観点から一つのテーマを多角的に検討できるよう配慮しています。
  • 2、3、4年生向けの「世界史文献講読Ⅱ-4(1)・(2)」では、平易なドイツ語のテキストを読んで解説し、ドイツ語読解能力を養います。
  • 2年生向けの「世界史文献講読I(1)・(2)」では、英字新聞・雑誌から歴史に関係のある記事を抜粋して一緒に読み、必要に応じ解説を加えます。
  • 1年生向けの「基礎課程演習」では、テキスト講読とプレゼン指導のほか「ロール・プレイング」の手法を用いて、演劇の要素を取り入れた授業を行なっています。