周囲に現役院生や院卒の知人が比較的多かったこともあり、大学に入学した頃から漠然と、進学という選択肢がありました。そして、3年次になってゼミに入ると、「もう少し追究したい」との思いが強くなり、本格的に進学を意識するようになりました。知識量の増加と比例して疑問点も多くなり、卒論の段階ではそのテーマの本質的な部分まで到底触れられないと思ったため、その追究を目指したことが進学の理由です。
とはいえ、その頃には同級生の多くは就活に動き出していたこともあり、進学に興味があった友人も「文系で大学院に進学しても、就職がどうなるかわからないから」と就活を始めた頃には、将来設計について随分悩みました。日本では、特に文系の分野においては大学院に進学しても就職で苦労することが多いということは知っていたため、自分の興味や好奇心だけで両親に引き続き学費等の負担をかけ、友人たちと異なる道へ進んで大丈夫なのだろうか、という不安があったのです。しかし、そのことを両親に相談すると「自分が本気で追究したいと考えたテーマがあり、モラトリアム目的ではないなら、進学すべきではないか」と父に言われたことが直接のきっかけとなり、大学院進学を決意しました。
史学科では3年次以上の学生は希望すれば大学院の授業を受けられる制度があります。学部生の頃から大学院の授業の様子や先輩方の様子を知っていたことや、卒論指導を受けていた先生のもとで引き続き研究を続けたいと考えたことから聖心の大学院に進学することに決め、現在に至ります。
修士課程では、30単位を取得した上で修了年次に修士論文を提出するというルールがあります。私の場合は、所持している中学校・高等学校教員の一種免許状を専修免許に上進することを希望したことや博物館学芸員資格の取得を目指したこともあり、M1の頃は週4で授業を受けていました。
しかし、大学院の授業は比較的午後からのものが多いため、午前中は自由に使えることが多いのではないかと思います。修士課程を2年間で修了するためには、M1の段階で早速修士論文の準備を進めなければなりません。そこで授業時間外には、必要な史料を確認するためにその所蔵先へ足を運んだり、確認できた史料や先行研究等の確認を行っています。M2になると時々研究会等へ参加して勉強しつつ、M1の時に収集した史料を元にして修士論文の執筆を進めていきます。
修士論文次第では後期課程に進むことも考えていますが、いずれにしても最終的には大学院で学んだことを出来るだけいかしていきたいと考えています。詳細については現時点では検討中ですが、学部時代に考えていたように、大学院に進むとその後の選択肢が極端に狭められてしまうわけではないことを感じています。
修士論文を見据えて作成した「研究計画書」に基づき、一次史料の解読や指導教授による論文指導を受けたり、研究の進捗を報告しあったりすることがメインです。研究報告の回以外には、共通のテキストに基づく発表・質疑応答を行うこともあります。学生は皆それぞれ異なる研究テーマを持っていますが、門外漢同士で議論すると様々な発見があり、とても面白いです。
まずは、そのテーマを巡る議論(先行研究)を自分の中で整理しました。その上で、論文の主張や議論の根拠となる史料の調査や確認に入りました。
先行研究の整理については、初めから本格的な研究書や分厚い単行本を読むのではなく、論文の書き方の型をしっかりと身につける意味も兼ね、自分の研究テーマと関わる論文が載る学術雑誌を読むところから始めました。
論文完成に至るまでの長い作業の間には、モチベーションを維持することも大切なことだと思うので、出来ることから始めていくことも大切なのではないかと思っています。
学部2〜4年次を通した教職課程での学びの中で、「歴史を教える教員になりたい」という願望が確かなものになりました。いざ4年次生となり、進学と就職どちらを選ぶか悩んでいたときに、高校時代の恩師から「最低でも修士課程までは終えて、専門分野の視点をしっかりと持ったほうが、良い歴史の先生になれる」というご助言をいただきました。そのため、大学院を受験し、歴史の研究を続けることを決意しました。
通学〜授業開始前までの時間は、自身の研究に関連する論文や、英語・中国語史料の講読の時間に充てています。授業内で研究発表を終えると、先生方や他の受講者の方からたくさんのご指摘やご助言をいただきます。そうして獲得した新たな視点を、次回の発表につなげるべく、放課後は研究室に残り、その日の授業の振り返りをしています。空き時間には、TAとして学部生向けの授業に参加させていただいたり、研究雑誌の整理のアルバイトをさせていただいたりもしています。自身の研究と離れた内容を扱うこともあるため、視野を広げ深い学びをもたらしてくれる、かけがえのない時間です。
いちばんの夢は教員ですが、教科書・参考書の編集や、学習塾の講師、放課後児童支援員など、教育に関わるさまざまな仕事に関心をもっており、進路については検討中です。どのような形であっても、聖心で得た「学ぶことの素晴らしさ」を子どもたちに伝えられる仕事に就きたいと考えています。
今年度に修士論文を提出する予定の学生が全員参加するゼミです。前期は主に、自身の論文に関連する先行研究・論文内で使用する史料についての報告を行ないます。後期は、修士論文の進捗報告を繰り返し、他の受講生や齋藤先生からご指摘をいただきながら、論文の内容と構成をブラッシュアップしていきます。「専門の異なる人に、自身の研究について分かりやすく説明する」という経験を通して、プレゼンテーション能力も磨かれていく、とても取り組みがいのある授業です。
修士論文では、中国に初めて女性のためのミッションスクールを建てた英国人の女性宣教師、メアリー・アン・アルダーシーの史料を分析し、当時の中国女性に対する教育がどのように行なわれていたのかを論じます。視点が偏りすぎないよう、中国語の史料も用いた研究にしたく、現在は西洋史・東洋史の両分野の先生からご指導をいただきながら、語学学習に力を入れています。よりよい修士論文となるよう、完成まで全力で取り組んでいきたいです。
学部3年生で周りの友人が就職活動を始めた時期から、自分は大学卒業後も今まで触れてきたテーマの勉強を続けてより知識を深めたいと漠然と考え始めました。一人一人のことをじっくり見て頂ける聖心の環境で、改めて集中して学び直し、関心のあることを悔いなく専門的に研究し見識を広げたいと思い、院に入りました。
なるべく毎日、自分の専門テーマに触れる時間を作っています。特にゼミのある日は、朝から様々な文献を読んで、そこから得た情報を自分の言葉で先生に伝えられるようにまとめたりしています。また、暇を見つけて、修論にあたり必要な語学の勉強をしています。その他、学部の授業のTAとして先生方のサポートをさせて頂いています。
グローバル人材を育成する会社に就職が決まりました。海外の方々と働く中で、院生活において培った語学力を実践的に使いつつ、修士課程で得た歴史の学びを通して、様々な国籍の方々とのより豊かなコミュニケーションを生み出していきたいと期待しています。
修論の枠組みや情報収集の結果を、毎回ゼミで先生に相談・報告し、アドバイスを頂きながら、見通しを立てています。中世後期のキリスト教世界で活躍したフランスの神学者ジャン・ジェルソンの民衆向けの説教を分析し、聖書の用いられ方や役割について研究しつつ、それにあたり必要な中世フランス語やラテン語も勉強しています。
ジャン・ジェルソンの行った民衆向けの説教を読みながら、彼の説教の特徴やパターン、そして主に聖書の引用のされ方を分析しています。夏までに章立てなど実際的な枠組みを決め、早目の時期から執筆していくことが出来るように、精一杯取り組んでいきます。
学部時代には教職課程を履修し、日々やりがいを感じながら学んでいましたが、専攻していた日本中世史については自分の理解や知識がまだ不十分であり、より深く学びを深めたいという思いが強まりました。そこで、さらに専門的に学べる環境を求めて大学院への進学を決意しました。本大学院は、先生方やゼミの仲間との距離が近く、自分にとって学びやすい環境だと感じていたことに加え、学部時代からご指導いただいていた先生の下で引き続き学びを深めたいという思いから、本大学院を進学先として選びました。
教員免許を専修免許へと上進し、さらに学芸員資格を取得するために週3日ほど、本大学での授業を受けています。それに加えて単位互換制度を利用して、他大学で古記録を学ぶ「史料講読」の授業も履修しています。また、TAとして学部生の授業にも関わっており、教える立場として新たに学ぶ機会も得られています。
空きコマの時間には、図書館を活用して史料を集めたり、先行研究を探したりと、研究活動にあてています。
週末には、学会や研究会に参加することも増えてきました。最新の研究動向に触れたり、他の研究者の発表を聞いたりする中で、もっと知識を深めなくてはいけないと感じています。
忙しいながらも、学びと実践が充実した毎日を送っています。
将来についてはまだ検討中ですが、教員免許や学芸員資格、そして大学院での研究を通じて培った専門的な知識や探究心を生かせる進路を選びたいと考えています。
現在は、室町時代の日記『後法興院政家記』を用いた史料講読を通じて、史料の読み解き方や同時代史料の収集方法を学んでいます。少人数のゼミなので、報告者の発表をもとに意見交換を行いやすく、疑問点を明らかにしながら理解を深められる点に大きな学びを感じています。
まずは先行研究を整理しながら、必要な史料を集めていきたいと考えています。そうした作業を通じて、自分の研究テーマを少しずつ見つけていけたらと思っています
聖心女子大学入学当初から、大学院進学は自分にとって一つの可能性として意識していました。身近に現役の大学院生や進学を目指す友人が多かったこともあり、自分も将来的に研究を続ける道を視野に入れていたからです。三年次にゼミに所属してからは、学びを深めたいという思いがいっそう強まりました。卒業論文に取り組む中で、自分の探究はまだ道半ばだと感じ、さらに知見を広げていきたいと考えるようになりました。そのため、これまで慣れ親しんだ環境である聖心女子大学で、引き続き研究を進める道を選びました。
とはいえ、四年生の春には進路に迷いもありました。周囲の多くが就職活動を始める中、自分の選択が現実的なのか、自信が持てない時期もありました。特に文系分野では大学院を出ても就職が難しいという話を耳にしていたため、純粋な好奇心だけで進学を決めてよいのか、自問することもありました。しかし、家族、なかでも同じく日本中世史を専攻し大学院に進んだ兄の「納得するまで研究していい」という言葉に励まされ、自分の意志に確信を持つことができました。そして、学びを深めることに今こそ向き合うべきだと考え、大学院進学を決めました。
大学院での一日は、午前の自主学習から始まります。主に、図書館や院生室で授業の予習やレジュメの作成に取り組んでいます。静かな環境の中で集中して作業ができるため、自分にとって大切な学習時間です。
午後から夕方にかけては、大学院の授業が中心になります。授業では講義だけでなく、史料の読解や議論を通じて理解を深めています。また、本学の授業に加え、委託聴講制度を利用して他大学の史料講読の授業も受講しており、異なる視点や研究手法に触れることができる貴重な機会となっています。
授業が終わった後には、研究会が開かれることもあり、可能な限り参加するようにしています。研究会では、他の院生や研究者との意見交換を通じて刺激を受けることが多く、自身の研究にとっても大きな糧となっています。
本学もしくは他大学の博士課程への進学を視野に入れて検討しています。修士課程での学びを通じて関心を深めたテーマを、さらに発展させ、専門性を高めていきたいと考えています。
修士論文についてはまだ具体的なテーマを絞りきれていませんが、卒業論文の延長として、毛利氏の九州における動向に関心を持ち、関連する史料の収集を進めています。これまでの学びを活かしつつ、最終的には自分なりの視点を持った論考としてまとめられるよう、丁寧に取り組んでいきたいと考えています。