私は、学部・大学院を通じて日本史の近現代ゼミで学びました。
学部・大学院とも、先生方にきめ細かい御指導をいただき、
同級生・先輩後輩と楽しみながら学ぶことができました。
先生の解説を聞きながら回れる学科旅行やゼミ旅行はもちろん、
学生の希望で突発的に展覧会見学などを企画することもありました。
また、選択した日本近現代史のほかに、興味に応じて洋の東西や時代を問わず
ゼミや講義を受講することができました。
自分の研究を全く新しい観点から見ることができ、新たな発見がありましたし、
なにより、新しい先生方や友人を得ることができました。
論文執筆では悩んで行き詰まることもありましたが、
多様な地域や時代をテーマに、同じように頑張っている友人の存在が
刺激にも励みにもなりました。
現在は、NTT系IT系企業で、全国規模の大きなシステムに携わっています。
その中で、お客様のニーズに合わせてシステムのバージョンアップをすること、
システムの不具合や問い合わせの対応を担当しています。
全く新しい業界に飛び込みましたが、新しい知識を身につける方法は、
学生時代と変わりません。
また、何かをやり遂げる姿勢は、論文執筆の経験から学びましたし、
お客様との打ち合わせの場で堂々と話せるのは、
ゼミでのディスカッションのおかげだと感じています。
そして、聖心で得た最も大切なものは、学生時代を共にした友人たちの存在です。
卒業後の進路はそれぞれですが、時には先生方も交えて、折々に集まっています。
学生時代のひとつひとつが、今の仕事につながっていると実感しています。
これから学ばれるみなさんは、
声に出せば周囲も応えてくれるので、積極的に
興味のあることを発信してゆくと豊かに学べると思います。
なによりも、自分のために使える時間を楽しんでください。
どうぞ、楽しい大学生活を!
史学日本史専攻sr.山崎ゼミでは、岩倉使節団使節団に随行した、田中不二麿についての論文執筆に向け取り組んでまいりました。
もともと教育関係の仕事を目指していた私は、卒業後、東京大学大学院に進学し、修士号取得後、商社の営業企画部門で教育コンサルに携わりました。
しばらくして都内私立女子校の中学社会科教員として非常勤講師の声がかかりました。
そして現在は、外資系フードサービスの人事部で採用の仕事をしています。
…と、卒業してから様々なジャンルの職についてまいりましたが、仕事を選び取り組む上で、大切にしていることがあります。
それは、聖心女子大学の史学在学中に身につけた「歴史的思考力を使った頭の使い方」です。
歴史を学ぶとは、ただ暗記したり、歴史上起こった出来事を知ることだけではありません。
専門家によって既に解釈されている内容を批判する力や、歴史的な事象がなぜ起こったのか原因と結果を考える力を手に入れることこそ、社会に出てから強みとなります。
日々の生活で困ったことにぶつかると「以前の担当者はどのように解決したのかな?」と調べたり、「同じようなやり方をしたら、どのような展開になるだろう?」と想像します。
サービス業は「先を読む」ことで仕事の良し悪しがきまります。
聖心で学んだ歴史的思考力こそ、仕事を楽しむための道具のひとつなのです。
私は聖心女子大学を卒業後、京都大学大学院人間環境学研究科に進学しました。現在は19世紀フランスのカトリック女子教育を中心に、宗教と教育の関係について博士論文を執筆しています。
聖心での4年間、とくに史学での3年間は、私にとってたいへん豊かな経験でした。歴史というのは、すべての学問の根底に共通して存在する部分です。聖心の史学科でさまざまな物事を俯瞰的に捉えることを学び、幅広い視野を身につけることができたことは、その後研究者としての道を歩む上で、大きな収穫でした。英語とフランス語の文献講読で磨かれた語学の感性は、学部3年次でのフランス留学、大学院進学後のパリ大学への留学の際にも力となりました。
国際化がますます進む社会において、史学は物事を深く考える機会と、そうした思考の助けとなる知識を十分に与えてくれる学科です。これから進学される皆さんが充実した学生生活を送られますよう、心から応援しております。
2012年8月にヨーロッパの現地法人に出向してロンドンでの生活も3年目を迎えようとしています。赴任してからの1年間は生活の立上げと欧州特有の商習慣、生活習慣に戸惑うこともありましたが徐々にどんな出来事も楽しめる余裕が出て来ました。現在は東欧・ロシアなどの新市場開拓、及び、欧州事業拡大に向けた社内体制の改革業務に従事しています。
大学での4年間は、自分が本当に好きなことを学びたいと思い、史学、人間関係、哲学が進学先の候補となりました。最終的に史学に進学することを決めたのは、当時履修していた西洋史関係の基礎演習を通じて、人は自分の人生を豊かにする為に学ぶんだな、と考えさせられたことが決め手となりました。
なぜ、そう感じたかというのを説明するのは非常に難しいのですが、授業で「1つの出来事に対する評価はその時代背景や評価者の意図によって容易に変化する」、「唯一無二の絶対的な正解はない」、という先生の言葉がきっかけでした。世の中には正解がないからこそ、自分なりの「解釈」や「正解」をもたなければならないのですが、自らの解釈に対して自信を持つ為にはできるだけ多くの情報を収集し、他人と議論した上での判断が必要となってきます。学ぶということはたくさんの人や情報とつながることで、このプロセスは、自分の視野を広げ、これから先の未来をよりよくする為の手段なのだと気付かせてくれた史学や先生にもっと学びたいと進学先を決めました。
私の学生生活を振り返ってみると、授業とアルバイトと旅行をとにかく頑張っていたように思います。授業期間中は、授業やアルバイトに夢中で、長期休みになると、海外に旅行に行きました。私の興味・関心は大学に入るまではいつもアメリカが中心でしたが、西洋史を学ぶ中で実際にヨーロッパを訪れ、本や文字では表現しきれない、その国の持つ独特な文化や空気に触れるのが楽しみでした。 ヨーロッパへの興味は膨らみましたが、卒業論文はどうしても私が歴史を好きになるきっかけとなったアメリカ史で書きたいと思い、大学3年の後期に、学内の単位交換制度を利用してアメリカの大学に留学しました。留学制度を利用するに当たって、また、卒業までの必要単位取得に向けて、西洋史の先生方にたくさんのご支援を頂きました。私の留学生活は、たくさんの失敗と成功がありましたが、一番の収穫は、自分が少しでもやりたいと思ったことは、恥ずかしがらずに何でも挑戦してみていい、頑張っていれば必ず手を差し伸べてくれる人がいる、ということを実体験できたことです。
単純に、ただ好きだという理由で歴史を学び、海外旅行を重ねていましたが、結果としてこれらの経験は私が海外事業に関わる上で一番重要な基礎を培ってくれました。私の現在の業務では、1つのプロジェクトを動かすのに、インド、イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、アメリカなどたくさんの国籍を持つ人たちと1つのチームで取り組みます。プロジェクトの成功は、メンバー間でいかに円滑なコミュニケーションを実現できるかにかかっています。国籍の異なるメンバー間で円滑なコミュニケーションを実現するには言語能力よりも、お互いの歴史的背景等を理解し、異なる考え方や意見を尊重しながら信頼関係を築くことが鍵となります。史学に進学したことで世界各国の歴史知識の基礎があること、また、現地の博物館や史跡に行ったことでその国がどのようにその史実を捉えているかを知っていると、外国人と会話するときに、自分の主張は相手にどのように受け取られるか、話題や言葉の表現の仕方は適格か、といったことに対して敏感になります。国籍の異なる人たちと交流するときにこうしたアンテナを高く持つことで、相手からの信頼を得やすくなり、現在私が海外で生活する上で大きなアドバンテージとなっています。
現在私はテーマパーク運営会社で広報の仕事に携わっています。勤務先のテーマパークは歴史を背景にした建造物やアトラクションなどが多数あり、歴史を感じることができる職場で働けていることをとても嬉しく思っています。
聖心では私はヨーロッパ中世史ゼミに所属していました。ゼミの参加者はそれぞれ興味をもっている内容が異なり、発表でさまざまな知識や見解を聞くことができ、毎週とてもわくわくしていたことを覚えています。歴史が大好きな友人に囲まれ、親友がたくさんできました。同じヨーロッパ史(近代史)を専攻していた友人と行ったオーストリア、チェコへの卒業旅行では、お互いの興味のある場所を、毎日朝から晩まで訪ねまわったことが一番の思い出です。
中世史ゼミでの発表を通じて、物事を調べて自身の考えをまとめ、プレゼンテーションする力が身につきました。社会人になると、そのような場面を日々経験します。ゼミでの議論では、人の考えはひとつではなく、いろんな正解があり、それぞれの考えを聞いたり、質問に答えたりすることで自身の知識も深まる、ということを学びました。こうした経験は社会人としての生活にたいへん役立っています。